Overview
本講義は教員採用試験で問われるロールプレイ・場面指導・詭弁(きべん)への対応力の習得を目的とし、主な論法と対策を実践的にまとめました。
ロールプレイ・場面指導の基本
- ロールプレイ型面接は面接官が保護者や子 ども役を演じ、受験者が対応する形式。
- 大阪市・神戸市で主に実施され、受験者へ強いプレッシャーがかかる。
- 基本は「傾聴」と「共感の姿勢」を示すことが重要。
- 保護者対応での0点例は「跳ねのける」対応(前例がない等で取り合わない)。
- 子ども対応では状況把握・事実確認を重視し、頭ごなしに叱ることを避ける。
- 実践練習により自信と応答力を高めることが大切。
一問一答型場面指導の対応
- 一般的な質問に自分なりの対応を具体的に説明する力が求められる。
- 圧迫質問や追加質問(「それで改善しない場合は?」等)は想定内。
- 多角的視点での回答(本人の背景・クラス全体・環境・教師自身も含む)を意識する。
- 「他に何かありますか?」「それだけですか?」等、深堀り質問は教育的引き出しを見る意図がある。
リフレーミングと多面的対応
- 問題行動を単一的な悪とせず、背景やニーズを探るリフレーミングが有効。
- 選択肢を広げることで追い詰め質問の無限ループに陥りにくい。
- 例)「掃除をサボる子」は掃除が苦手・役割分担の不公平感など複数要因を考慮。
詭弁(きべん)の典型パターンと対応
- 詭弁とは、矛盾した論理や反論できない論法で議論をかき乱すこと。
- 例1:ストローマン論法(主張を曲解・単純化して攻撃)→論点を明確化し訂正する。
- 例2:滑りやすい斜面論法(極端な悪結果に飛躍)→論理の飛躍を指摘し冷静に返す。
- 例3:偽の二分法(選択肢を不当に2つに限定)→他の選択肢もあることを提示。
- 例4:人格否定・属性攻撃(若さ・見た目・職業等で攻撃)→論点を元に戻し冷静に対応。
- 例5:チェリーピッキング(都合の良いデータのみ提示)→全体像や他データの存在を示す。
圧迫質問・詭弁への対処法
- 冷静さを保ち、多面的・具体的な解決策を誠実に返答。
- 「責任取れるのか?」などの抽象的追及には、具体的な懸念点の確認や共同解決姿勢を示す。
- 感情的にならず、面接官の圧力にも動じない。
Key Terms & Definitions
- ロールプレイ — 役割を演じ場面に応じた対応を実演する試験形式。
- 場面指導 — 想定状況に対し具体的な対応策を問う質問形式。
- 詭弁(きべん) — 論理的に矛盾した主張で議論を混乱させる論法。
- リフレーミング — 問題の捉え方を変え、多角的視点で前向きな行動を促す技法。
- ストローマン論法 — 相手の主張を歪曲・単純化し反論する詭弁。
- 滑りやすい斜面論法 — 極端な悪結果への飛躍を伴う詭弁。
- 偽の二分法 — 選択肢を不当に2つと限定し誘導する詭弁。
- チェリーピッキング — 有利なデータだけ抜き出し主張する詭弁。
Action Items / Next Steps
- ロールプレイや場面指導の模擬練習を積み重ねる
- 詭弁パターンと対応方法を整理し、冷静な返答を練習しておく
- 次回はAI活用による面接対策を予定