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詐欺罪の基本と判例

Dec 6, 2024

刑法格論:詐欺罪について

1. 財産犯の概要

  • 財産犯は所有権侵害が基盤。
  • 窃盗罪、強盗罪を学び、次に詐欺罪を学ぶ。
  • 占有移転罪には窃盗、強盗、詐欺、強活が含まれる。

2. 詐欺罪の特質

  • 占有移転罪の中で「交付罪」と呼ばれる。
    • 被害者が財産を渡す行為が特徴。
    • 窃盗や強盗とは異なり、被害者の意思に基づく交付。

3. 詐欺罪の法的条文

  • 刑法246条:
    • 人を欺いて財物を交付させた場合は10年以下の懲役。
    • 財産上の利益についても処罰対象(第2項)。

4. 詐欺罪の構造

  • 疑問行為:人を欺く行為。
  • 錯誤:疑問行為により被害者が誤解をする。
  • 交付行為:錯誤に基づき被害者が財産を渡す。
  • 財産移転:交付行為により財産が移転。

5. 判例で見る詐欺罪

334番判例(偽医師事件)

  • 医師を装って薬を販売し代金を得たが、薬が本物で価格相当だったため詐欺罪不成立。

335番判例(ドルバイブレーター事件)

  • 商品の性質に対する錯誤があったため詐欺罪成立。

6. 詐欺罪における「交付の判断の基礎となる重要な事項」

  • 重大な錯誤が存在しないと詐欺罪は不成立。
  • 騙し取る意思が錯誤に基づく同意が無効であるとされる必要。

7. 証明書の不正取得に関する判例

免許証や印鑑証明書

  • 証明内容が真実であれば詐欺罪不成立。

健康保険証や簡易生命保険

  • 財産的利益と結びついているため詐欺罪成立。

預金口座

  • 自己名義で他人に譲渡する意思がある場合、詐欺罪成立。

8. 詐欺罪の今後の学習

  • 次回以降も詐欺罪の詳細な判例と理論を学習予定。
  • 詐欺罪の解釈は複雑であり、判例と法的理論を理解することが重要。