Overview
2024年6月の入管法改正により、外国人永住者の在留資格取消し事由が拡大されました。本ノートでは、永住資格を失う3つの主なケースと、改正による新たな取消し事由や注意点について解説しています。
永住者とは
- 永住者は在留期間や活動に制限がなく、日本で自由に暮らせる在留資格である。
- 永住者は日本国籍に帰化しない限り外国人のままであり、入管法による管理の対象となる。
- 帰化は日本国籍を取得して日本人になる手続きであり、永住とは異なる。
永住資格を失う3つの場合
- ①再入国許可なしの単純出国や、見なし再入国許可期間内に帰国しない場合。
- ②退去強制事由に該当し、強制退去処分を受けた場合。
- ③在留資格の取消し事由に該当した場合。
再入国許可と見なし再入国許可
- 再入国許可を取得せずに出国した場合、永住資格を失う。
- 見なし再入国許可は1年以内の再入国に限り申請不要だが、期間内に帰国しないと資格を失う。
- 出国前には必ず再入国許可または見なし再入国許可の手続きを行う必要がある。
退去強制による資格喪失
- 永住者でも退去強制事由に該当すれば退去強制となり永住資格を失う。
- 例:1年以上の懲役・禁錮刑、薬物犯罪等が該当する。
在留資格取消し事由(法改正含む)
- 偽り・不正手段による永住許可取得、90日以内の住居地届出不履行、虚偽届出などが従来からの取消し事由。
- 2024年法改正で、入管法上の義務不履行や故意の税・社会保険料未納、重大犯罪による刑罰の場合も取消し事由に追加。
新たに追加された取取消し事由(2024年改正)
- 入管法上の義務違反や、故意に税金・社会保険料を支払わない場合(未必的・うっかり・病気等による未払いは対象外)。
- 殺人・強盗等の重大犯罪により刑罰を受けた場合(交通違反など軽微な違反は対象外)。
取消し後の処遇と家族への影響
- 取消し即時退去ではなく、事案によっては法務大臣の判断で定住者などへの在留資格変更が認められる可能性がある。
- 永住資格を失っても家族(配偶者や子)は、その人自身の永住資格がある限り引き続き日本に滞在可能。
- 配偶者等ビザの場合も、定住者等への資格変更で在留継続が可能。
通報義務と相談の推奨
- 公務員 等は取消し事由該当疑いがある場合に通報できるが、単なる相談や事情説明、支払い困難の相談で通報されることは想定されていない。
- 不明点や支払い困難時は、市役所などに積極的に相談することが推奨される。
Recommendations / Advice
- 再入国前は必ず再入国許可等の手続きを行う。
- 高速効果の支払いが困難な場合はすぐ市役所等に相談する。
- 永住資格取消しの不安があれば専門家や行政窓口への相談を推奨。