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英語史の概要と変遷

Jun 11, 2025

Overview

本講義では「英語史」をテーマに、現代英語の特徴や綴りと発音の不一致、その歴史的背景について解説された。

英語史という学問

  • 英語史は英語の歴史だけでなく、英語を話してきた人々や社会の変遷も対象とする学問である。
  • 英語の歴史は約1600年に及び、始まりは5世紀イギリスへの移住とされる。
  • 英語史は世界史とも密接に関わり、英語学習者も「英語話者」としてとらえる。

英語の時代区分

  • 英語は古英語(449年頃~1100年)、中英語(1100年~1500年)、近代英語(1500年~1900年)、現代英語の時代に分けられる。
  • 古英語、中英語は現代人にとってほぼ外国語であり、特別な訓練を受けないと読めない。

綴りと発音の不一致の由来

  • 英語は綴りと発音が一致せず、例外的な単語が多数存在する。
  • 例:「busy」は方言由来で発音は北部、綴りは西部のものが標準化。
  • 「build」なども同様に歴史的混乱から生じた表記。
  • 「doubt」のbなど、ラテン語への憧れから綴りのみ追加された文字もある。
  • KNで始まる単語は、かつて発音されていたが徐々にK音が消失した。

綴り多様性の極端な例

  • 「through」の綴りは中英語期で少なくとも516通り確認されており、標準化前は多様だった。

社会と英語の変化

  • 書き言葉は知識階級が、話し言葉は庶民が支配していたため、両者のギャップが生じた。
  • 綴り改革は過去に多く試みられたが、成功した例はない。
  • 現代の英語は国際的に広まったため、変化しづらくなっている。

言語変化の要因

  • 綴りや発音の変化は必ずしも合理性や発音のしやすさだけでなく、外来文化への憧れやファッション性も影響する。
  • ノルマン征服以降、英語はフランス語の影響を強く受けた。

Key Terms & Definitions

  • 古英語(Old English) — 449~1100年頃の英語。現代英語と大きく異なる。
  • 中英語(Middle English) — 1100~1500年頃の英語。古英語より近代英語に近いが難解。
  • 綴りと発音の不一致 — 書き言葉と話し言葉が一致しない現象。
  • 綴り改革 — 英語の綴りを音に合わせて合理化しようとする試み。

Action Items / Next Steps

  • 古英語・中英語の実例を調べ、綴りと発音の違いを確認する。
  • 「through」「doubt」などの語源・表記の変化を学習する。